乳がん友達

15年前、初めて乳がんになった時、

患者のお話会的な場で友人ができた。

その方はだいたい1周り年上で、いわゆる奥様だ。

そういう状況にならなければ出会うはずのない人だ。

 

初めて話したときは衝撃だった。

1周り年上のその人は、自分のことを名前で言う。

〇〇ちゃんはね~、という小さい子供のように・・。

さすがにちゃん付けではないが、「〇〇子はね・・」と話し始める。

それがまた話が面白い。

わがままで子供のようで、世間知らずなとこもある。

でも憎めない人って、この人のことだと思う。

 

数年連絡をとっていなかったのだが、今回の病気で

相談などして見舞いにも来てくれた。

しかも2回も病院に足を運んでくれた。

病院には不釣り合いな、さっそうとしたいで立ちで、

素敵なお花を抱えて、しかも手術の次の日に(^_^;)

しかし、この人ならあり得る話で面白い。

 

見舞いの来てくれたお礼に、花を持ってご自宅にお伺いした。

「お昼から伺いたいのですがいらっしゃいますか?」

とメールをしたら、「はい、いらっしゃいます」と返事がきた。

そして「来るなら12時半に来て」と電話がかかってきた。

相変わらずだ、なぜならその時点で40分前だったのだから。

慌ててお花などを準備して約束通り訪問した。

 

10年振りのご自宅はその時と変わらずモデルハウスのようだった。

季節に合わせてポインセチアが部屋中に並んでいる。

(さっき花屋でポインセチアを選んでいたかと思うとぞっとする・・(-_-;))

ちりひとつないお部屋と洗練された家具、

恐ろしく美しい字の書きかけの年賀状、

そして壁には〇〇子さん自作の

これまた傑出した切り絵作品が何十枚も貼られていた。

すごい! ちょっとした展示場だ。

そう、わがままで自由人の〇〇子さんは、ものすごく器用で

センスがありなんでも出来ちゃうのだ!

ただのわがままじゃない、

だからこの人に引き付けられる。

 

自分とかけ離れた人には魅力を感じる。

〇〇子さんはその一人だ。