出窓

今住んでいる家を建ててからちょうど20年になる。

田舎の古くて寒い家で育ったので、

新しいマイホームは夢だった。

特にこだわりがあった訳ではないが、出窓だけは

どうしても欲しかった。

ドラマに出てくる新婚の1戸建ては、

たいがい出窓に白いカーテンだったから。

なので我が家には出窓が4か所ある。

あの時は出窓の何ぞや等と意味はどうでもよかった。

 

20年たった今、出窓の存在価値はいまいちだ。

嵐の日などは風が直撃しうるさいに他ならない。

南側の寝室の出窓にいたっては、陽当たりがよすぎて

天井が劣化しボロボロになってしまった。

リビングの出窓のカーテンは窓ガラスではなく壁に沿って設置したので

出窓には部屋とは別の空間が保たれている。

冬の暖房で乾燥しまくっている部屋とは少々湿度や温度も違うし、

そこは東側で朝の陽ざしは受け放題だ。

なのでそこに置いた多肉植物の寄せ植えの成長が目覚しい。

一輪挿しのつぼみの椿もあっという間に開いた。

多肉に関しては、いったいどこまでというくらいタッパが伸びた。

我が家の出窓たちの中で唯一いい仕事をしている。

同じリビングでもその隣の出窓は物置きと化している。

同じ条件にしてこれではなんだかなぁ、だ。

とりあえず置いてある壊れたCDプレイヤーを処分しよう。

今思いつくのは、多肉植物に対抗する寄せ植えを考えることだけだ。

いやいやその前に、洗濯したら破れてしまった

レースのカーテンを買いに行かなくては。